iDeCo(イデコ)こと個人型確定拠出年金で積み立てて運用してきた資金は、60歳になるとようやく受け取る事ができます。
「 掛け金の全額所得控除 」や「 運用益の非課税 」など税制メリットがあるイデコですが、最後に貰う時も税制のメリットを受けるために注意が必要です。
掛け金と運用益の受け取り方は下記3つ
- 一時金として全額受け取る
- 年金として複数年に分けて受け取る
- 一時金と年金を併用して受け取る
せっかくコツコツと長年の間、積み立ててきた掛け金です。
損をしないために、自分にあった上手な受け取り方のポイントをお教えします。
iDeCo(イデコ)の3つの受け取り方と税制優遇
一時金として全額受け取る場合
今まで積み立ててきた金額と運用で得た利益をまとめて一度に受け取る方法です。
この場合は、税法上「退職所得」としての扱いとなります。
よって「退職所得控除」の対象となります。
退職所得は、受け取る額から「 退職所得控除 」の額を引いて二分の一をかけた金額に課税されます。
控除の額はイデコの加入期間によって退職所得控除の計算式が異なります。
イデコ加入期間 | 退職所得控除の計算式 |
---|---|
20年以下 | 40万円×加入期間(80万円以下の場合は80万円) |
20年ごえ | 800万円+70万円×(加入期間ー20年) |
15年加入してきた場合
加入期間が20年以下なので控除額の計算式は、40万円×15年=600万円>80万円
仮に1,000万円を受け取る場合は、(1000万円−600万円)×1/2=200万円
15年加入して1,000万円受け取る場合は、200万円に対して課税されます。
25年加入してきた場合
加入期間が20年を超えているので控除額の計算式は、800万円+70万円×(25年−20年)=1,150万円
仮に1,000万円を受け取る場合は、控除額のほうが大きいので全額が非課税となります。
(その分、積み立てて受け取る金額も大きいので当然ですが。)
年金として複数回に分けて受け取る場合
年金として複数回に分けて受け取る場合は、金融機関によって受取の回数や期間が異なります。
5年〜20年程度から選ぶ場合が多いようですが、私が選んだSBI証券のイデコの場合は、5年又は10年のいずれかから選ぶ事となります。
この場合、受け取る金額は税法所「 雑所得 」としての扱いとなり、他の公的年金等の収入の合算額に応じて「 公的年金等控除額 」をマイナスすることが可能です。
公的年金にかかる雑所得の金額は、収入の金額によって異なります。
65歳未満
公的年金などを合わせた収入額 | 雑所得の金額 |
---|---|
〜70万円未満 | 非課税 |
70万円〜130万円未満 | 収入金額−70万円 |
130万円〜410万円未満 | 年金収入×0.75+375,000円 |
410万円〜770万円未満 | 年金収入×0.85+785,000円 |
770万円以上 | 年金収入×0.95+1,555,000円 |
年間70万円までが非課税。
65歳以上
年間120万円までが非課税。
公的年金などを合わせた収入額 | 雑所得の金額 |
---|---|
〜120万円未満 | 非課税 |
120万円〜330万円未満 | 収入金額−120万円 |
330万円〜410万円未満 | 年金収入×0.75+375,000円 |
410万円〜770万円未満 | 年金収入×0.85+785,000円 |
770万円以上 | 年金収入×0.95+1,555,000円 |
一時金と年金を併給する場合
一時金と年金を併給して受け取りことが出来ます。
しかし、ネット系のイデコの口座では併給できないところもあります。
私の選んだSBI証券の場合は、年金として受け取り後に5年以上経過した場合、残りの金額を一時金として受け取る事が可能です。
公的年金がもらえる65歳までは、分割で貰い、年金開始の65歳になったら一時金として残りの金額を一括で受け取る。なんて方法が可能です。
まとめ
受け取り方を選ぶポイントは下記
- 60歳以降も働くのか
- 何年間イデコに加入していたか
長くイデコに加入していた場合、一時金として退職所得控除の金額が大きくなるのでお得となります。
20年までは「加入年数×40万円」、20年を超えた部分は「加入年数×70万円」が控除金額になります。
年金として分割して受取した場合、口座管理手数料はかかりますが、給付を受けながら残りの金額は続けて運用することが可能です。
少ない額でも早めにイデコに加入して加入年数を延ばし、控除額を増やしてトクをするのが最も賢い方法なのではないかと思います。
善は急げ!ってことじゃ。
面倒でも早くはじめるのが大切ってことですね。
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